高血圧とは
高血圧は誰もが一度は耳にしたことがあるはずです。
生活習慣病の中でも患者数が最も多く、なんと20歳以上の日本人のおよそ二人に一人は高血圧と言われています。
運動や痛みで血圧が一時的に上がるのは問題ありませんが、安静で測った血圧がいつも高い状態を高血圧といいます。
血圧には収縮期血圧(最大血圧)と拡張期血圧(最小血圧)があり、一般的には上の血圧、下の血圧と呼びます。
収縮期血圧140以上、または拡張期血圧90以上の場合、高血圧と診断します。
では血圧が高いと、なぜ良くないのでしょうか。
高血圧そのもので症状はありませんが、高血圧が長く続くと血管に負担がかかり、血管の老化(動脈硬化)が進みます。
そして脆くなった血管は破けたり、詰まったりします。
血管は体の隅々まで分布しており、さまざまな臓器でトラブルを引き起こします。
特に影響を受けやすいのが、心臓、大動脈、脳、腎臓、眼です。
放置していると…
高血圧をそのままにしていると、心筋梗塞、心不全、大動脈瘤、大動脈解離、脳出血、脳梗塞、腎不全、網膜症といった病気につながります。
これらの病気は症状が出現したときにはすでに危険な状態なので、急に命を落とすこともありますし、後遺症が残ったりもします。
ですから症状がないうちから高血圧の治療をすることが大事なのです。
また心臓、大動脈、脳血管、腎臓などに既に病気を抱えている場合は、病気を進行させないために血圧の管理がさらに重要です。
目標の血圧もより厳密に設定する必要があります。
こんな方はぜひ当院にお越しください
- 健康診断で高血圧を指摘された。
- 血縁に、心疾患(心臓病)、血管の病気、脳卒中の方がいて、自分も心配だ。
- 高血圧のほかにも生活習慣病や心疾患などを抱えていて、まとめて治療を受けたい。
- 病気で入院して高血圧の治療を開始した。
- なるべく薬を使わずに、あるいは少なくして治療をしたい。
- いつまでも健康に、血管年齢を若く保ちたい。
高血圧の原因
食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。
なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
治療
高血圧の治療は、まず第一に生活習慣を改善することです。
その基本は以下のようになります。
- 塩分の少ない食事
- 野菜や果物の摂取
- 適正体重の維持
- 運動
- 節酒
- 禁煙
わたしたちにとって日々の生活習慣を変えることはとても難しいので、治療の必要性を理解すること、そして治療を継続するために専門的な立場でアドバイスしてくれるかかりつけ医を見つけることも大切といえるでしょう。
食事
塩分を摂り過ぎると高血圧になりやすいことが知られています。
和食は健康食として世界に知られるほどですが、かつて塩分だけは明らかに摂り過ぎていました。
日本人の一日あたり塩分摂取量は1950年代には16gほどで、その後一貫して低下し、2010年代にはおよそ10gまで減りました。
世界保険機関(WHO)は全ての成人において1日あたり5g未満を強く推奨しており、日本高血圧学会も6g未満を推奨していますから、まだ理想とはかなり差があります。
食生活や味付けには個人差があるため、栄養士と具体的な食事内容を相談して、少しずつ努力していくのがコツです。
運動
ウォーキング、スロージョギングなどの有酸素運動を、できれば毎日30分以上行うことが推奨されています。
運動中には一時的に血圧が上がるため、運動強度が強すぎるとマイナスの影響もあります。
適切な運動量には個人差があり、「ややきつい」と感じる程度で十分です。
強度を上げるよりも続けることの方が大切です。
高血圧の影響ですでに身体の臓器に影響が出ている場合もあるため、医師の診察を受けて専門家のアドバイスのもとで運動を行うと安心です。
薬による治療
生活習慣の改善をしても血圧が下がらない場合や、すでに臓器障害を起こしていたり重症の高血圧では早期から薬による治療を行います。
薬を飲み始めると一生飲まなくてはいけなくなると不安に感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、生活習慣が是正されて薬を減量したり中止したりできることも勿論あります。
しかし加齢に伴い血管の弾力性が失われて高血圧になりやすくなるため、治療を中止できない場合が実際には多いのです。
薬への依存でやめられなくなるのとは違いますから安心してください。
高血圧治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、将来の心臓や血管などの病気の予防、また既にある病気を進行させないようにすることです。
そのため、各臓器の状態によって第一選択の薬は変わりますし、目標とする血圧の数値も変わります。
不安などございましたらお気軽にお尋ねください
治療については患者さまの全身の状態をきちんと診断し、説明を行わせていただいた後、治療をスタートしていきます。
わからないことや薬についての不安などありましたら、お気軽にお尋ねください。
またご自分で血圧値をつけていらっしゃる方は来院時にお持ちください。
血管や臓器障害をみるための検査
- 血圧脈波検査
- 頸動脈エコー検査
- 心電図
- 心エコー検査
- 尿検査
- 腎動脈エコー検査
- 眼底検査