橋本病は1912年に日本の橋本策(はかる)先生が初めて報告された病気です。
橋本病は若い世代から中高年の女性に多いのが特徴で、成人女性の10人に1人、成人男性の40人に1人にみられます。
原因
自己免疫の異常によりリンパ球が甲状腺組織を破壊して、慢性的な炎症が生じることが原因です。
そのため、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。
なぜ免疫の異常が生じるのかはわかっていません。
症状
慢性的な炎症により甲状腺が腫れてきます。
健診などで首元の腫れを指摘されたり、喉の違和感などを自覚する方もいらっしゃいます。
慢性炎症により甲状腺の組織が少しずつ壊されていくと、甲状腺ホルモンが不足してきて甲状腺機能低下症になります。
全身の代謝が低下することで、顔や手足のむくみ、寒がり、体重増加、コレステロール高値、月経不順、便秘などを認めることがあります。
日常生活の注意事項
昆布やひじきなどの海藻類を多くとりすぎないようにしましょう。
神経質になる必要はありませんが、毎日昆布の佃煮を沢山食べたり、イソジンのうがい薬を1日に何度も使用すると、それが原因で甲状腺機能低下症になることがあります。
甲状腺が急に大きくなったり、甲状腺の痛みや発熱、動悸、暑がりなどの日頃と異なる症状があればすぐにご来院ください。